1月17日に第五回目となるSPRING起業セミナーを開催しました。
第五回目のゲスト講師は、青根温泉の継承者、原太一郎さんにお越しいただきました。
原さんの青根温泉にかける想いや、お客様へのおもてなしの精神をお伝えしていきます!
1982年に川崎町で生まれた原さんは、ニュージーランドの大学を卒業後、家業に就きます。
その後、2007年に取締役に就任、2013年には第一回旅館甲子園グランプリ、2015年旅館甲子園ファイナリスト5施設選出、じゃらんネット東北売れた宿10室以下の部門8年連続第一位、と輝かしい記録を樹立します。
順調そうに見えますが、24歳の時に心を病んでしまったそうです。
「悩んでいても仕方がない!」と、原さんは多くの本を読み、読書を通じてあらゆる人に会いに行きました。
仕事はしていましたが、家から出ない日々が続く中、仙台で食事をとらなければならない機会が舞い込んできました。
その時、たまたま入った飲食店の店員の女の子のキラキラした目にくぎ付けになります。
社員になりたての子かな、と思い年齢を聞いてみると、なんと17歳のバイトだったそうです。
なんてまぶしいんだろう!と、その女の子に心動かされた原さんは、翌日のミーティングで「こんな旅館を作りたい!」と熱弁するようになりました。
あの女の子のような輝く人を作りたい、人を元気にすることをしたい、と思い、お客様に毎日メッセージをしたためるようになったそうです。

実際にお客様にあてたメッセージをお持ちいただき、起業セミナー参加者で回覧しました。
一枚一枚に原さんのお客様への想いが伝わってきます。
2018年に個人事業として、青根温泉に一棟温泉宿 星月をオープンしました。
なぜ原さんは、新たな旅館をつくろうと思ったのでしょうか?
その理由は以下の3つだと原さんは語ります。
1、所有している旧青嶺閣跡地の建物が大正6年築という魅力的な古民家だったので利用したいと思ったから。
2、自分の感性や、お客様をもてなす術を試したかったから。
3、自分のやりたい宿が明確で、お客様から喜ばれることを確信していたから。
このような想いを実現させるために、原さんはさっそく事業計画書を作成します。
なんと、初めての事業計画書の作成にも関わらず、1時間で作り上げたそうです!
銀行に提出しようとするも、ご家族に「どうせ相手にされないだろう」と反対されてしまいましたが、お父様に「まあ、話してみるだけ話してみろ」と言われ、二人で銀行へと向かいました。
銀行の担当者が事業計画書と原さんの話を聞くと、「面白い!進めましょう!!」と、原さんもびっくりする程の好反応!
銀行の担当者の方に最も刺さったのは「ビジョンストーリー」の部分だそうです。
都会に住む一組の夫婦が星月に泊りに来て、温泉や料理、おもてなしに都会で疲弊した心も体も癒さていく。
セミナーでも披露してくださったストーリーに、私たちも星月に泊ってみたい!と思わざるをえませんでした。
開業に向けた準備を完了させ、ついに星月がオープン!

ですが、オープン直後から、お客様が来ないという問題に直面します。
一棟貸しなのでお客様が来なければ売り上げはゼロ。
ランチの売り上げでどうにか生計を立てようとはしていましたが、4月から6月までは過ぎ行く一日が尊かったそうです。
Facebook広告を打つなど試行錯誤を続けた結果、7月の3連休を機に宿泊予約が入り始めるようになり、8月は毎日お客様が宿泊しました。
今回のVol.1では、原さんが星月を立ち上げるまでのストーリーやきっかけについて触れました。
既に濃密な内容ですが、Vol.2では、星月が事業として回り始めた要因や、経営者としての心構えについて触れていきます。
そちらも、お楽しみに!