7月26日(木)に、第一回目となるSPRING起業セミナーを開催しました。
SPRING起業セミナーとは、川崎町でご活躍されている起業家の方々をお呼びし、起業に至った経緯や自身のビジネスへの想い、今までの困難や乗り越え方に等について、起業家の目線からお話いただく講義です。
記念すべき第一回目のゲスト講師は、川崎町で川崎町産の原材料を使った和紙の製作をしている塚原英男さんにお越しいただきました。
今回の記事では、2回にわたり、1時間30分にわたる濃密なお話の一部をご紹介いたします。
塚原さんや潮紙、和紙の魅力とともに、川崎町で起業することの魅力もお伝えしていきます!
和紙との出会い
元々は、インテリア業界で20年以上カーペットの販売をしていた塚原さん。
お仕事の関係上、手仕事の職人さんとお付き合いが多かったとのこと。

2008年のある日、知り合いの職人さんより「手すき和紙をやってみないか」と誘われたことがきっかけで、和紙業界へ足を踏み入れたそうです。
なかでも、最近では珍しい徒弟制度や、福祉施設でお金をいただきながら教えていただくことのできる貴重な機会に魅力を感じたことが決め手となったそうです。
当時80歳だった塚原さんの師匠は、自閉症の方々をお手伝いとして雇用していて、そのサポートとして参加されたそうです。
起業のきっかけ
元々は、若林区の荒浜に工房があったのですが、東日本大震災の津波の影響でその地域の大部分は流されてしまいました。
不幸中の幸いで、工房の土台部分までは流されずに済み、製作に必要な道具は無事に運び出すことができました。

当時、内閣府が新たな一歩プロジェクトを推進しており、被災地で起業すると最大300万円の補助金がもらえるという制度が用意されていて、
そこで、「被災地で特産品を作らないか」というお誘いがあり、本格的に独立し、和紙の製作を始めたそうです。
川崎町を選んだきっかけ
和紙の製作には、純度の高い水が必要になるのだそうです。
和紙の中に塩の結晶ができてしまうと表面がべたついてしまいます。
塚原さんは、塩分の含まれない、綺麗な水で和紙を作りたいという想いから、純度の高い水を確保できる場所を探していたそうです。
そして2014年、川崎町の笹谷にある、純度の高い湧き水を汲むことのできる屋敷を見つけたことで、川崎町の笹谷にて工房を構え、本格的に和紙製作を開始しました。
潮紙(うしおがみ)の特徴
潮紙(うしおがみ)では、塚原さんのこだわりである「川崎町産の原材料を用いた和紙づくり」がなされています。
栽培から下ごしらえ、加工までを一貫して塚原さんが管理することで、一級品の和紙が作られています。
もともと、和紙製作は農閑期に農家の方々が作業するものとして存在していたのですが、担い手不足により、その役割を果たす方々が減ってしまいました。
現在では、ほとんどが輸入に頼っている状況で、全て純国産の材料のみでつくる潮紙さんの和紙はかなり珍しいとのこと。
しかし、純国産の素材を使うことで、原価が上がってしまうという面もあるのも事実です。


そこまで純国産にこだわる理由は、一体どこから生まれて来るのでしょうか。
次回は、そうした中でも塚原さんの和紙づくりに秘めた想いや、今後の潮紙の展望をご紹介いたします。
どうぞ、お楽しみに!
手すき和紙工房潮紙
代表:塚原英男さん
Facebook: https://www.facebook.com/ushiopapermill/
所在地:宮城県柴田郡川崎町今宿笹谷町80
e-mail:usiogami@me.com